PCG-U101のキーは、大きさの割には打ちやすいとは思うものの、カナ入力派にとっては、右側のキーの幅が2/3と一層小さくなっており、割と多く使う濁点なども小さいのと、割と取りこぼしが発生します。また、LOOX U50WNの場合は、かなりキー配置が特殊ですし、カナ入力も出来ませんので、宿泊先など場所を取れるところでは、外付けのキーを使いたい物です。
持ち運びの邪魔にならないように、できれば折りたたみ式にしたいのですが、市販の折りたたみ式の殆どはカナ入力に対応していません。小型キーボードも、カナキーは変則配列になっており、正しい位置にある物は、携帯には大きいか、小さくても折りたたみではないのでキートップも小さく、わざわざキーボードを別に持ち歩く意味がありません。
そんな中、目を付けていたのが、SONYのVAIO Type Uに付属していた折りたたみ式のキーです。ポインティングデバイスも付いており、キートップも、上段の縦がやや小さいものの、ほとんどA4ノートパソコン並の大きさ。そして何より、カナ入力対応で配列も正常です。
Type U所有者以外は入手できないためか、オークションではかなりの高値を付けていました。が、なんとPCG-U70以外の、いわゆるType U所有者なら買えるようになったという朗報が。早速注文したのですが、税別で1万5千円と極めて高価な上、代引きで千円を超える送料まで付きました。あくまでも保守部品扱いだからでしょうか。
他の部品と一緒に注文したので、単にエアキャップに包まれてSONYの段ボール箱に入っていただけです。あくまでも「保守部品」ですから、キーボードのみで、ドライバも説明書もありません。「超急送便」として航空便で届きました。
かなり華奢です。開閉のたびに折れ曲がる内部のコードは、切れてくれといわんばかりの細さです。また、USBケーブルも、右側から細い物がいきなり出ているだけで、取り付け部に断線防止のチューブがあるわけでもありません。
折りたたんだ形状は、はがきよりやや大きいという感じで、厚みは15mm位でしょうか。閉じたときのロックはありますが、開いたときのロックはありませんので、不安定な場所での使用には向きません。また、チルトスタンドもないので、ペタリと机に水平に置くことになります。
気になるのは、USBケーブルを収容したり固定したりする仕掛けがないということです。パタンとキーを閉じて、キーは四角く「箱」になるのに、ケーブルはぶらぶらしたまま。持ち運び用の物なのですから、USBコネクタをはめ込む部分などが欲しかったですね。右側には、VAIOのロゴと、キーインジケーターが付いている部分が40mmほどあるので、ここにケーブルとコネクタを収容する工夫は出来なかったのでしょうか。ただでさえ切れやすそうなケーブルの取り付け具合ですから、閉じたキーボードにぐるぐる巻くを繰り返していたら、すぐに切れそうです。せっかくキーボードは小さく収まっても、このケーブルのために袋などに入れねばならず、ちょっと大きくなってしまいます。
閉じた時は、黒いつや消しの箱になるので、Thinkpad 220を連想します。それだけに、ケーブルとコネクタを収容する仕掛けがないのが残念ですね。
そのまま接続しても使えますが、ドライバが出ています。これをインストールすると、マウスに「外付けマルチポインタ」の項目が現れ、移動速度の調整、左右ボタンの同時押しでスクロール、プレスセレクト(ポインタを押す)の動作が設定できます。PCG-U101用ではありませんので、入れるのは自己責任です。
また、LOOX U50WNにインストールすると、富士通関連のソフトウェアが起動時にエラー表示をして動作しなくなりましたので、LOOX U50WNはドライバをインストールせずに使用した方が良さそうです。
キーは、Type Gに似ているでしょうか。表面はざらざらしてた半艶のような物です。キートップの大きさやピッチはA4のノートパソコン並です。配置は標準的ですが、数字のある上段の高さが2/3になっています。ページ送り、戻し、行頭、行末は、それぞれカーソルキーの上下左右とFnキーのコンビネーションです。スクロールロック、ポーズ、ブレークもFnとのコンビネーションですが、まず使うことはないでしょう。
私は、「変換」「無変換」を使うのですが、普通の大きさで付いているので助かります。変換は「スペースキー」が主流なのか、この二つのキーが小さいことが多いので。横幅が狭いのは、「ウィンドー」「メニュー」「ひらがな」と右側の「Alt」「Ctrl」「↑」「↓」です。
ストロークは十分あり、クリック感も良好で、入力に関しての不満はありません。欲を言うなら、折りたたみの境となる部分のキーがやや水平ではないのと、全体に硬性が不足していてキーを押し下げるとたわむということでしょうか。
かなり軽く動きます。これがあるので、マウスを持ち歩く必要もなさそうです。
左右のクリックボタンは、随分と安っぽいピカピカ銀メッキです。やや硬めなのと、押し込む向きが斜め手前になるので、少々押しにくいかも知れませんが、クリック感はしっかりしています。位置は、「G」と「H」のキーの中間にあります。
キーボードの右側にスペースがとられていて、半分に折りたたむ時、この機構を上手に避けて折りたためます。
旅行先などで落ち着いて使う時にはいいですね。普段持ち歩いても邪魔にはなりませんが、PCG-U101にはせっかくキーボードが付いていますし、これを展開するとB4ノートが使える程度の奥行きが要るうえ、小さな画面が奥に行ってしまいます。
LOOX U50WNの場合、ディスプレイ部が完全に反転するので、ちょうどよい感じになります。私は、LOOX U50WNは、Change Keyを使用してかなり配置を変えていますので、外付け用と変換テーブルを使い分けています。
このキーボード、もう少し値段を下げて、誰でも使えるオプションとして売れば、結構需要があると思うのですが。